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逆転満塁ホームラン!
第7章 出会いの人員不足

「里奈が大阪を離れたくないのは、親と離れるからっていうのと東京人とソリが合わないからって理由?」

「うん。それが一番かな。」


「……まあ、それなら」

「よく考えてみ。里奈が東京に来たとしても東京の両親と慕ってるオレの親父達が居る。オレも居る。」


「もっと言うなら、面倒見てくれてるウィングスの先輩マネージャー達だって居るわけじゃん?」


「うん。」


「そりゃ、初めは慣れないことが多くてしんどい思いもすると思う。でも頼る人が居ねえ訳じゃねえだろ?」

「蒼井里奈って云う、あの青山の秘書やってた根性据わってる女には住友総司って云う、住友財閥の長男が居る」


「それだけで東京に来る価値は有るし、不安事も悩みもほぼほぼ吹き飛ぶと思うけど?」


まただ、コイツのこういうトコロ。

本当に口が上手い人ってのは、人の心を動かすのが上手い。それが私みたいな単純な女なら尚更。

「……ははっ」

「なに笑ってんだよ」


「いやっ?総司らしいなっと思って。」

「オレらしい?」


「そう。──ふふっ、まあいいわ。そんなに私に東京来て欲しい?」

「そりゃあな。」


はあ、まさか自分の中の大きな節目をこんな時にこんな場所で決める事になるなんてな。

ツイテるんだか、ツイテないんだか。

「なんかさ、あたしの節目の大きな判断する時って総司がいつも側におるよな」

「青山先生の話しの時だってそう。進むか戻るか別の道をいくか……そういう時に横におって話し聞いてくれるのはいつもアンタやわ。」

「背中を押すのもアンタ。」



「……じゃあ、これからもそれでいいじゃん。今のこの瞬間も。」


あ、真面目なトーンだ。

嘘偽りない彼の声。きっと利き手である右手にスマホを持ってベッドに寝転がりながら天井を見上げて、真顔で紡いだ言葉だと思う。

そうなれば──私も冗談ではなく本気で返すしかない。


「何かあったら、こんな事友達に頼むのも嫌やけど……でもその時は総司、あんたが住友のチカラ使ってでもアタシを拾ってな。」


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