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逆転満塁ホームラン!
第11章 麻布女子になれないワタシ
「どこ向かってんの?」
「ドーム」
「……え?」
「青木が焦って状況をグループラインに入れたせいでドームに選手陣もスタッフも集合してんねん。とりあえずお前達が無事な所を見せたらんと…」
殴りすぎて手が痛いのかな。
グーパーしながらそんな事を言い放つ天草だけど、きっとフロントが心配してるのは、あんな場に居た【ナイン組の行く末】ってやつだろう。
だけど、一体何がどうなってコイツ達があの場に居たのか……あそこまでキレてしまったのか……
危機感の無い私は、何も覚えていないから全部を含めて判断することは出来ない。
だから必要以上の返事はしなかった。
その真意を察してくれたのか、逢沢くんが『大丈夫だよ。』と優しく肩に手を置いてくれる。
──携帯を見るのも怖いなあ、もし総司にまでこの話が回っていたら…ああ、想像すら出来ない。
でもきっと、それはそれは凄い内容に話が発展してしまうだろう。アイツの過保護さも、柳くんと天草と良い勝負をするからな…。
高級車らしく、あまり揺れがないこの車はゆっくりだけど私の体調を復活させる方向に進んでくれる。
深く背もたれにもたれて、目をつぶった。