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逆転満塁ホームラン!
第11章 麻布女子になれないワタシ
痺れを切らした様に【謝れって言ってんの聞こえねえべ?!】と最後の最後にブチ切れた柳くんの怖さは異常だった。
夏菜子ちゃんと土間パン、そして顔中から血を流している男三人が床に頭を擦り付けて必死に謝る光景は、何だか信じられないけれど信じなきゃいけない現実。
ターナーのオーナーとは何度か面識の有りそうな天草は『弁償については明日連絡するから今日は帰らせてくれ。』と言い放ち、ナイン組と私を連れてそそくさと麻布を出てしまった。
取り残されたあの五人はどうするんだろう?
悪口大会でも始まるのかな?
……いや、有り得ないか。格好付けて『全然痛くなかったし怖くもなかった』何て到底言えなさそうな怪我と威圧感のある場だったし。
二軍で調整中の青木くんは、一軍に上がるまでの罰ということでお酒を飲んでいなかったらしく大きい社用のアルファードを運転してくれている。
車内に流れる浜崎あゆみの音楽を、こんな行き場の無い気持ちで聞くのは初めてだった。