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第12章 半端ない週刊誌

「今回の件は、吉瀬への暴行未遂にプラスして天草と柳が相当暴れたからなぁ。変な話しだとはオレも思うけど、殴られた三人や女二人からウィングスが恨みを持たれても可笑しくないんだよ。見方を変えれば。」

「そうですね、それはわかります。」


「だろ？……それを踏まえると…もしかしたら今回のこのリーク事件、まるで吉瀬が酔っ払って潰れて──乱交したとか、そんな形でリークされてもそれも又不思議じゃなかったんだよ。」

「だし、そうなればウィングスはどうしても世間体が悪くなる。様々な世論を受け入れることになる。アイツ達五人がそれを狙って逆恨みして、そうなりかねない事をする可能性も有った。」


「だけど今回のリークは全くの逆だ。蒼井の顔も隠されてるし」

「まるで相手が悪いと言い切る様に、男の顔はそのまま公開されてる。内容も『吉瀬がレイプされた』という趣旨。」


私も朝、それを思っていた所だ。

土間パンや夏菜子ちゃん、他の男三人がリークするのなら私を悪者にするはずなのに…、と。

確かにこの業界の裏方として片足位は突っ込んでる以上、セカンドレイプの被害は多少受けるかもだけど。

それでも何故、チワワ先輩が言った前者の形を取らなかったのか。謎でしかない。


「蒼井。お前、2ちゃん見たか？」

「2ちゃんですか？」


「ちょっと待って。……見たら俺の言いたい事やフロントの言いたい事が分かるよ。天草達の傷害事件は別として"ピンチはチャンスに成り得る"って事がな。」