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逆転満塁ホームラン!
第12章 半端ない週刊誌
「せやろ?じゃあええやん。」
ああ、負けた。
初めてかもしれない。こいつと本気で言い合いをして負けてしまったのは。
「公私混同…というか、吉瀬ちゃんへの過保護っぷりがただの馬鹿にしか見えねえべ?」
「だまっとけ柳、お前も誰かに過保護になってみろ。」
「オレは吉瀬ちゃんに対して過保護じゃんね?お前と違って馬鹿みたいな行動に移さないだけで。ね?」
「そうやね。」
不貞腐れてる私は完全に嫌々モード赤ちゃんで言うなら2歳児レベルの嫌々期。
ぶーっと明らかに機嫌の悪い顔をしてると、苦笑いをした内海さんがヨシヨシと頭を撫でてくれる。
そしてロッカーにいつも常備してあるミルキーのチョコレートを私におすそ分けしてくれた。
「まあ、今回は天草が隣でよかったかもしれないな。」
「でしょ?内海さん。」
「……うん、だって吉瀬ちゃん。本題に入るけど誰が情報リークしたか分かってないんでしょ?」
「──ッ!」
甘いチョコレートが少しだけ苦くなる。一気に現実に引き戻された気分だ。
そうだよね…きっと入室したばかりの選手達の雰囲気や重苦しい表情は【彼達も誰がこの話しをメディアにしたのか・写真を掲載したのか】その目処が一切経っていないからだろう。
「先輩、ぶっちゃけウィングスのフロントは何て言ってはるんですか?今回のこと」
「……。」
「どうせなら他のスタッフ達も集合してからでいいか、と思ったけど今言うことにする。お前だけじゃなく選手達もカナリ心配だったのか朝からスマホが鳴りすぎて煩かったからな。」
心当たりのある選手達が何人か、あからさまに目を反らしていた。本当に……良くしてもらってるよな、私って。
「結論から言うと、とりあえずは良かった。だ」
「良かった…?」