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逆転満塁ホームラン!
第13章 バタバタの一週間

多分、コイツはこのまま誰にも本気になる事なく子どもが出来るか……飯炊きババアの役割でミサトと籍入れるかのどっちかかなって思ってたのに。

それをぶっ潰したんだ、あの蒼井里奈っていう俺達の大事な大事な球団スタッフが。

「タイプと本気の愛は違うべ?」

「……んー、どうやろうなあ。」


俺の質問がグッと響いたのか、屈伸を止めてから芝生の上に胡座をかくとマツダの上に大きく広がる青空を見つめた天草。


「違うんかも、な。」


「俺もよく分からんねん。お前は中学の時からプロ入った今までも何人かと真面目に付き合ってたやろ?最近なら歌手の須藤未華子とか、さ。」


須藤未華子──、ああ〜あの子か。

まあまあ本気だったけど大事にはしてなかったかもな。普通にキャバクラ行っては女の子持ち帰ってたし。

未華子の場合は野球選手の妻になる事に必死こいてたから、人の考えが分かる俺には何だかしんどかった。

まあ、コイツが『柳が本気で惚れた最近の相手は須藤未華子』だって云うなら別に否定もしないんだけど。


「でも俺は初体験でさえもキャーキャー言ってきてた取り巻きの先輩やったし」

「誰かを本気で好きになるとか、ましてやそいつが振り向く様で振り向かんとか初めてやん?」


「だから、よう分からん。」



「……でも大事にしたいとは思ってるんだろ?だから……吉瀬ちゃんが居るのに他の女と遊ぶべ?ワケの分かんねえ、使い捨てでも大丈夫な女とばっかり。」

「ははっ、さすが幼馴染やな。そこまで分かってたん?」


「当たり前に、な。お前がああいうタイプの女と遊ぶのは自分の行き過ぎた好きって気持ちを吉瀬ちゃんにぶつけて、あの子を困らせたりしない様に、だろ?」


「……そう。」



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