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逆転満塁ホームラン!
第2章 甲子園球場の奇跡
「ホンッッッマに何の事言ってはるか分かりませんし、私は柳さんとも天草さんともお会いした事ないんで。とりあえず、注文詰まると回せないのでそこ退いてもらってもあいですか?」
少女漫画なら、まるで私と再会する事を俺が仕組んだ。と言われれば恋の始まりに心ウキウキすることだろう。
だけど!
今は違う。
私達の間に愛や一目惚れなんて云う乙女ワードが存在していないことは明らかだし、何なら恋愛を売られてるというよりも喧嘩を売られてる。
総司の顔が有るから売られた喧嘩を買わないけれど……まあ、総司の紹介じゃなかったら『さっきから何言うとん?!』くらいのタンカは切ってたかも。
「まっ、いいわ。お前は知らなくて当たり前やし。」
「知らないも何も……。っはあ、もういいです。とりあえずご注文有るなら聞きますけど。」
「ハヤシライス特盛と豚カツ定食。」
「ハヤシライス特盛と豚カツ定食ですね、出来たらお呼びしますので席で座ってまっててください。」
「なあ、蒼井里奈」
「………ッ、はい?」
一気に顔が青ざめた。もしかして、私は本当に彼達とどこかで飲んでるのかな?
どうして私のフルネームを知っているんだろう。
「青山先生に宜しくな。今日は阪神ぶちかましますんでって」
高らかに笑った天草流は、憎い位に格好良かった。