この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
逆転満塁ホームラン!
第14章 リーグ優勝を掴め!
ふとテレビを見た。丁度、球場内のスクリーンがアップされている場面で……何と、そのスクリーン一杯に映っていたのは、あのWWCの会長である千里初さんだった。
──まるで海外に行く時の麻生さんのように、ボルサリーノを深く被り高そうなネクタイを締めて居るその姿は海外のマフィアそのものだ。
電話の呼出音がゴッドファーザーの、あの有名な曲であっても何の違和感もないだろう。
そして、その横に居る茶髪ロングの元ヤンっぽさを醸し出した綺麗なオバサマが映った時に、観客のガヤガヤ具合は最高潮になった。
あくまでも、ガヤガヤだ。
誰一人として大きな声で叫んだりはしていない。何万人という人達が一斉に噂話しをする様なトーンで何かを話し出すと、こうなるんだな。と冷静に判断してみせた。
「あれ誰か知ってるか?青木」
「知らないっす、会長の愛人か何かですかね?」
「愛人だったらテレビも抜かねえだろ〜。……でも綺麗な人だよな。昔ヤンチャしてたっぽい雰囲気は有るけど」
「そうっすね、綺麗なのは間違いないっす。」
逢沢君と青木君がそんな話しをしているのが、ベンチの方から聞こえてニヤニヤしてしまう。
良かった良かった。
この子達は確かに緊張も興奮もいつもの倍してるだろうけど、それでも確かに私が見てきた"東京ウィングス"の選手である事に間違いない。