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逆転満塁ホームラン!
第14章 リーグ優勝を掴め!
『……これでウィングス、ツーアウトになりました。にしても珍しいですね、天草がボール球に手を出すなんて』
『そうですねえ、今日はまだ一回も打ててませんし。この試合や雰囲気に圧倒されているのかもしれませんね。』
「……。」
ベンチに帰ってきた天草は、バットに当たる事も何かを叫ぶ事もなく淡々とした様子でアクエリアスを飲んでいた。
プロだからこそ、感情に支配されない様にしてるんだろうけど…ここまで冷静過ぎると逆に深く考え込んでいないかどうか、そこが心配で仕方ない。
今年もトリプルスリーを達成出来たアイツは、天才である事に違いないけれど……でもそれ以前に人間なのだ。
大舞台で緊張するのは当たり前だし、打てなかったら落ち込みたくもなるのが普通の話し。
『打ちましたあ!!五番の藤堂が、凡退に終わった天草の敵討ちと言うようにスリーベースヒットです!!』
『マルコがホームに帰って来たので、ウィングスと阪神の点差は三点に縮まりました!そして今は、まだ四回裏!まだまだ追い上げのチャンスが有るウィングス!!』
『お、やっぱり中継ぎは内海で行くみたいですね。』
『すごい歓声です、この東都ドーム!…内海は巨人時代から阪神戦の防御率は良いですからね、ここは期待出来そうです。』
『そうですね、赤星の為に…と思ってる部分も有ると思いますし。とりあえずは無失点で抑えが出てくるまでは頑張ってほしいですね。』