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逆転満塁ホームラン!
第14章 リーグ優勝を掴め!
俺の分まで頼むわ、と明らかに無理した笑顔で鳥越君の頭を叩いた天草は、居ても経っても居られなくなったのか私達になんか目もくれずにバックルーム前の灰皿へ向かって歩き出していた。
鳥越君は、三ヶ月前に右腕の違和感を訴えて二軍で調整していたんだけど……青木くんと共に一軍に復活していたのだ。
そんな子に四番の代打って──。
いくら天草の調子が、今日は良くないからって言っても酷すぎる様な気がする。そりゃあベンチには居たくないだろう。
チラチラと彼を伺っていたのがチワワ先輩には丸わかりだったのか『行ってこい』と背中を押され、全ての思いが爆発したかの様に全力疾走で煙草を吸ってる天草の方へ走り出した私。
「っ、何やねん。そんなイキナリ突進してきて。……っておい!まだ吸っとんのに何してくれてんねん!」
「ちょっと来て!!」
まだまだ長さの有った煙草を強引に奪い取ってから水の中に浸けて、天草の腕を引っ張る。
そしてロッカールームに入った私は、鍵を締めてから──ポーカーフェイスぶってる天草の目をまっすぐに見つめた。