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逆転満塁ホームラン!
第15章 幼馴染みの絆

試合は九回表。
何やらコソコソと監督やピッチングコーチ達が話してるのを盗み聞きして……まさかだ、とは思っていたけど。本当にその、まさかだったとは。
【九回、ピッチャー変わりまして──柳恭平!】
冷静に。でも……やっぱり宮田姉さんも根っからのウィングスファンだ。興奮を隠しきれないのか語尾にチカラが籠もっていた。
『まさかのぉぉぉ!!』
『まさかの、ここで抑えとして柳の登板です!!』
『白井さん、白井さん。そこまで興奮する意味、僕も分かりますよ。──うおー、マジか。まさか此処で先発のエースで有る柳を投入するとは…いやあ、監督はエンターテイナーだなあ。』
関心しっぱなしの村田さんと、興奮しっぱなしの白井さん。二人は中々良いコンビかもしれない。
球場のボルテージは、もう天井すら突き破ってしまうんじゃないか?と思うほどに上がり切っていた。
ここから見る柳君の背中は、いつもよりも何倍も逞しくて大きく感じる。
何やら一言二言、天草と会話している所が抜かれるとスタンドから高い悲鳴が上がった。

