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逆転満塁ホームラン!
第15章 幼馴染みの絆

ホームベースに両足を付けた瞬間、待ち構えていた選手達に押し倒されて頭や身体を次々撫でられている天草の笑顔は私が見てきた中で1番、無邪気で少年らしく可愛げのある笑顔だった。


マウンドに倒れ込んだ天草の腕を引くのは柳君。

またも球場が色々な意味を含む大歓声に包まれているのにも関わらず、二人はキツく抱きしめ合う。


ああ、泣いてるじゃん。二人とも。


「……ッ。」

私もすっかりウィングスの球団スタッフなんだな。

何故か知らないけれど、二人のように涙が沢山出てきて困ってしまう。

でも──隣で人目はばからず号泣しているチワワ先輩を見ると、こういう時くらいは泣いても…良いのかな?

『九回を慣れない抑えとして、必死に無失点で守りきった柳恭平と…』

『九回裏のツーアウトノーランと云う誰しもが逃げ出したくなりそうな場面で、特大ホームランを放った天草流。』


『今、見える通り──その二人が涙を流しながらアツく抱き合っています。そして、その瞬間を見守る様にして他の選手たちも笑顔です。』


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