この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
逆転満塁ホームラン!
第16章 幻のヒーローインタビュー

もう直ぐ、ヒーローインタビューが行われる。
でも、その前に監督からの挨拶だ。
大の大人が涙を流しながら何度も何度も頭を下げてウィングスのファンや関係者一同にお礼を言っていたのは本当に強く印象に残った。
『我々は球団創立当初、野球ファン以外からも強く批判されました……そして大口を言ってたのにも関わらず、リーグ優勝をするのにこれだけの時間がかかってしまいました。』
『それなのにずっと監督で使い続けてくれたフロントの皆さんには勿論のこと、時には厳しく…だけど愛情を持って接してくれ応援してくれたファンの皆様。本当にありがとうございます。』
『このメンバーで、このチームで……過酷な道程では有ったけれどセリーグ優勝と云う一つの目標を達成出来た事を誇りに思います。』
『今度は日本シリーズです。皆様……引き続き、ウィングスがウィングスらしく日本一を取れる様、応援宜しくお願い致します!!』
と、短いけれど──色々なことが有ってやっと優勝と云う二文字を手に入れたんだな、と思えるスピーチ。
時々スクリーンに映されるウィングスのファンの人達は皆、目を赤くして監督の涙につられるように自らの目を擦っていた。

