この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
逆転満塁ホームラン!
第16章 幻のヒーローインタビュー

そして、監督が下がったと同時にお立ち台に上がるのは──さきほどまで熱く抱き合っていたウィングスが世界に誇るイケメンコンビのツートップ。
歓声と感謝の言葉が東都ドーム内に響く中、柳くんがおちゃらけた様にピースをして、それを天草が叩いて止める。
いつもの二人だなあ…なんて。
プライベートでは、実際…天草が馬鹿役で柳くんがシッカリ者だと云う事をどれだけの人が知っているんだろう?
「えー、監督が泣いてたので俺達は泣かないで話したいと思います。」
入りから監督をイジる柳くんの言葉を聞いて、ドーム内はドッと笑いが起こる。後ろに居た監督も満更でも無さそうにニヤニヤしていた。
「まずは柳さん!セリーグ優勝おめでとうございます!」
「あんな緊迫した場面で、まさかの三者凡退に抑えて本当に凄かったのですが…それは想定内といった所でしたか?」
「想定内ではないっすね。でも広島が一点ビハインドってのは耳に入ってたので、何としてもココは抑えて後は打者に任せようって思いからの投球でした。」
珍しく真面目に答えてる彼。普段の試合ではこんな事、まあ有り得ない。
大体はチームメイトをイジった様な発言をして笑いを取りにいくのが鉄板なのに。やっぱりそれだけリーグ優勝時のお立ち台ってのは違うものがあるのかな。

