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逆転満塁ホームラン!
第16章 幻のヒーローインタビュー
心拍数が半端じゃない事は自分でも分かった。
きっと内海さんや監督さんまでもが、天草の頭を撫でたり肩を激しく叩いたりしてるのは『やっと言えたじゃねえかよ』っていう身内ネタ、ってやつなんだろう。
でも、身内ネタにしては派手にやりすぎだ。だって、これって……プロポーズだもん。
「アイツは気合い入ったら後先考えねえからな。はあ……まだスポンサーへの挨拶も何もしてねえのに。」
「しかも優勝時のインタビューで、かよ。こりゃあ俺達広報は色々とアフターフォローで大変になるな。」
「でもまっ、業界関係者とか、ほとんど人達はアイツが蒼井にベタ惚れだったの知ってるし想定内って感じか。」
独り言を言いながら私の落としたゴーグルを拾い、スタスタとバックルームへ歩くチワワ先輩の背中を見つめた。
ちょっと、何でそんなに冷静で居られるの?そう大きな声で彼に聞きたい気分。