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逆転満塁ホームラン!
第17章 不器用なアナタ

ビール掛けが終わったのが0時半で、選手達が全員シャワーを浴び終わり東都ドームを出たのは、もう午前2時前だった。

大興奮の皆は、これから居酒屋にでも行きたそうな雰囲気だったけど……

さすがに今日優勝してそのまま飲みに行くのはヤバイだろ。となり、宴会は中止に。

多分、日本シリーズが終わってからの開催になりそうだ。

そっちの方が『日本一』の祝いも兼ねれるしね。


私は自宅マンションが一緒の事も有り、選手たちと同じシャンプーの香りを靡かせながら天草の高級車を運転して、隣でグッタリしている彼を部屋の前まで送っていく。

「じゃあ、とりあえず「……寄ってくか?」

飲んではないから酔ってない彼だけど、疲れてはいるんだろう。

ちょっといつもとは違う目つき。


──本当は逃げたかった。

でも、逃げてたらいつまで経っても向き合えないと思い、鍵を直して彼の顔を見つめ静かに頷く。

すると天草は、『ん。』と自分の腕を出して隣の部屋だと言うのに、それまでの間私の手を離さなかった。


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