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逆転満塁ホームラン!
第17章 不器用なアナタ
「でも、こんなアホで野球しか知らんくて──素直じゃない俺やけど、お前に対してはいつも全力で、いつも本気やった。言葉に出せないだけで心では死ぬ程愛してた。」
「──うん。」
決して目なんて合わせてくれないけど、彼の思いは伝わってくる。
さっきウィングスのビール掛けの様子を見て嬉し泣きしたはずなのに、涙は枯れる事が無いみたいだ。
何故か知らないけど──堪えようとしてるはずだけど──止めどなく溢れてくるしょっぱい水滴。
「俺の彼女になったら苦労する。」
「野球選手は、いつ戦力外通告されるかも分からへんし、安定なんて有って無い様なもんやからな。」
「嫁になったら尚更や。」
「ほんっっっまに大変やし俺にイラッとする事も死ぬほどあると思う。」
「でも、必ず幸せにする。」
「どんな時もお前を守るし、最後俺の女で良かったって思ってくれる様な生活を送らせる。」
「だから、俺の女に……なってほしい。」