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逆転満塁ホームラン!
第18章 夢の高級ホテル
───12月1日。
私と天草はリッツ・カールトンホテルに居た。
目の前には純白のウェディングドレスを身にまとった私の写真を何度も何度も撮っている住友ファミリー。
「はあ、お前も結婚かあ。」
「残念だったね、総司。だから言ったでしょ?里奈は可愛くて素直であんたが想像してる以上にモテるんだから好きならちゃんと伝えなさいって」
「別にスキとかそういうんじゃねえよ。」
高そうな着物を護っている総司ママには、あれからの三ヶ月半とてもお世話になった。
料理の基礎を教えて貰うのは勿論『派手な人の奥さんになるならこれも覚えとかないと』と、季節毎の挨拶の際に送る手紙の書き方やプレゼントの選び方。
他にも、このリッツ・カールトンでの挙式を住友家のツテを使い少し安くしてもらったり……本当に色々だ。
「でも親父がいきなり、住友グループとして東都ドームの内野席買い取ったのはビックリしたわ。」
「……娘みたいに可愛がってる里奈の旦那さんが所属するチームだからなあ。でも、これで社員が試合を見れるのは勿論のこと、養護施設の子達や震災に有った子達を招待する事も出来るし」
「それでWWCとも話が纏まって、今では良いお付き合いさせてもらってるんだから結果オーライだな。」
何故か知らないけれど、今にも泣きそうな総司パパがそんな事を言う。
正直、住友グループはWWCグループの事を前までとても嫌っていた。
それは老舗旅館が新しいホテルを嫌うのと同じ要領だと思う。
でも私と天草が結婚を前提にお付き合いする様になったのをキッカケに、住友とWWCは提携までも結ぶ様になったんだから、これに関しては私達二人は良い仕事をしただろう。
だって、あの住友財閥のWWCが手を結ぶんだよ?それこそ野球に例えるなら柳と天草のツートップが居る天下一の球団、みたいなもんだ。