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逆転満塁ホームラン!
第21章 俺の自慢の嫁
「あたしな」
「うん。」
「アンタと結婚した時から腹キメてるで。アンタが言うたんやん、結婚式の当日に。『ホンマにええんか?俺はメジャーに行きたいと思ってるし、お前に苦労もかけるで』って。」
「アンタのしたい事は何でもしたらええよ。」
「……。」
「アンタが楽しいんやったら、アタシはそれでええ。」
「私は、何言われても何されても結局は、心の底から天草流って男が好きやねん。好きな男が幸せなんやったらそれでいい。」
「アンタが節度は守る男やって分かってる。身体の浮気はしても心の浮気出来るほど、器用じゃない男なのも、全部な?」
「だから、アンタも分かって?私はアンタしか見えてないし、浮気出来るほど器用な女じゃない。そんな不器用な女が……苦労してでも、努力してでも、アンタの側に居るしこれからも居りたいと思ってる。」
「それがメジャー行きに対しても、あんたが心配してた"ホンマに好きかどうか"に対しても──いや、全部に対しての答え、やな。」
「あたしは、あんたの事……死ぬほどすきやから。」
照れ隠しでベンチの上にあった流のアクエリアスを投げる。
──旦那さんは、満面の笑みで野球選手らしく、飲みかけのアクエリアスをキャッチしてみせる。
この姿……動画にでも収めてたらきっとアクエリアスのCMが来るのは間違いないんだろうな。それほど爽やかで格好良くて、でもとても可愛らしい。
こちらに伸ばされた白い腕。
その先にある男らしい大きな掌を握ると、またたく間に彼の胸の中に強いチカラで引っ張られる。