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逆転満塁ホームラン!
第4章 深夜の炭水化物

キラキラとした部屋の中には不似合いなイカの香り。

私が無理に食べたいと言い続け、黒服さんがファミリーマートで買ってきてくれたイカの七味焼きが机の上に有った。

いつの間にか空の瓶ビールは六本増えているし、もっと言うならば何時飲んだのか分からない新しいモエシャンの空瓶までも逆立ちで立たされてる。

いや、まあ飲んだのは私なんだけどさ。


「はあ〜〜!!」

「お、絶好調じゃん?吉瀬ちゃあん!」

私の隣で同じペースでビールを飲んでいる柳も相当なハイペースだ。乳を揉まれる事から開放されたロリ巨乳ちゃんは同じ年くらいの女の子と浜崎あゆみメドレーを歌っている。

「あんさあ、柳!」

「なになに、どうしたの?」


「広島打線を攻略したいなら、やっぱり三番と四番に目を向けるだけじゃアカンべ。何でか分かる?」

「え、分かんねえ。何で?」


「今、二軍で調整してる宮園敦っていう大卒の子なんやけどさ、そいつがアンタの大得意なインコースをほぼ攻略してんの」

「どういう事?」


「だーかーらー、そのままの意味よ!アンタの決め球はコントロール抜群のインコースギリギリやろ?でも宮園にはそれは利かんと思う。」

「多分、あれは来月辺りには調整終わってスタメン定着すると思うんよなあ。となれば、どうなるか……インコースを攻略されてるんやからアンタの球は長打とかホームランに成りやすいってこと。」


「はあ?!じゃあどうすれば良いべ?」


「今の所、宮園が苦手なのはフォークボールな。岩瀬さんがよく投げてたお化けフォークと速いストレートはよく見逃してる。」

「でもアンタはフォークがヘタやろ?ストレートは速いし良いの持ってるけど。」


「ああ!ってことは!」


「分かった?」


「その宮園ってバッターの時は頑張ってスライダーで振らせて、ストレートの決め球で空振り三振取れば良いのか」


「そう!あたしは絶対にそれが安全やと思う。アイツは……低目も高目も腰がブレへんから何投げても危ないわ、あれ。」

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