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逆転満塁ホームラン!
第4章 深夜の炭水化物
そんな顔を見てバツが悪そうに目を反らした天草は、ベッドサイドに置いてる水を一口だけ飲むともう一度言葉を紡いだ。
「阪神、好きか?」
「何よ〜、イキナリ。好きでも嫌いでも無いけど」
「じゃあウィングスは?」
「ウィングスは嫌い。」
「ははっ、今年の優勝争いさ、もし仮に阪神とウィングスだってなったらどうする?広島が転落して一位と二位に東西の代表球団が来たら。」
「その時は阪神を応援するよ。そりゃあ大阪出身やし、青山先生に英才教育されてきたからさ。」
「でも天草」
「ん?」
「一つ言うといたる。東西の代表球団はウィングスと阪神じゃなくて読売ジャイアンツと阪神やで?」
「確かにウィングスは強さも人気も凄い。」
「だけど、そこは買い被りすぎたらアカン所ちゃん?」
今度は私が彼の目をまっすぐに見る番だ。
──気遣いも優しさも無いそんな言葉を聞いた天草流というウィングスの不動の三番は、今日一番の笑い声を上げると『やっぱお前はそれでこそお前やな』何ていう、ワケの分からない言葉を言い放った。