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逆転満塁ホームラン!
第5章 急な悪魔の囁き
「うん、そうだね!とりあえず今日は初日の扱いになるだろうし時間はいつも通りで大丈夫だよ。」
「分かりました。何か持ち物とかってありますか?」
「持ち物?!ん〜……強いて言うならハンコと身分証明書くらいかな?まあ、こっちに身分証明書のコピーが有るから大丈夫だとは思うけど……」
「まだ話が回ってないウィングスの関係者が居たら怪しまれるかもだしさ。そうなれば別途の"バックルーム入場許可証"を作る必要があるかもしれないんだよねえ」
「それはハンコと身分証明書が居るから。だから念の為持ってきてたら安心かも。」
ズルルッと何かを吸い込む音がして笑いそうになった。
近藤さんは根っからの甘党だから、今は時間帯的にも出社前にある程度用意を終わらせて黒バラ珈琲でも飲んでるのかな。
あの優しそうな……いや、包容力の有りそうなお腹回りは炭水化物で出来たというよりも、砂糖で出来た様なもんだと思う。
「分かりました。じゃあ時間はいつも通りで、とりあえず出社したら事務所に顔出します!」
「うんうん。それでお願い。きっと30分もしない内にチワワから確認の電話が来るだろうし、そこである程度話しを固めて蒼井ちゃんが出社した時に説明出来る様にしておくね。」
ちょっと女子に近いところを持つ上司だけど、優しさはピカイチかもしれない。
ふわふわとした話し方に、どこか安心感を覚えた私は元気よく返事をした。
──何故か、怖さなんてどこにも無かった。