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逆転満塁ホームラン!
第6章 チワワの逆襲

柳くんも豪快に笑っては私の肩を何度と叩く。

「ッ、いやあ……最高だべ?吉瀬ちゃん」

「……はあ?」


「天草にここまで言える女なんて初めてじゃん?なあ、内海さん。」

「そうだな。てか吉瀬ちゃんもキツイなぁ。この根性無しって……ははっ、まさかコイツにそんな言葉言う子が現れるなんてなぁ。」


「こいつがじゃじゃ馬の怖いもの知らずなだけっすよ」

「……あんたが!あたしを怒らせるだけ、の間違いやろうが、ボケ!」

今度こそ追いかけようとすると、スマホのシャッター音が響いた。


「おっ、チワワが仕事か?」

「おん。これは良い写真だ、ほら見てみ?」


ホイ、と柳君に手渡したスマホには私が片腕を上げて今にも追いかけ回そうとしている後ろ姿と、笑っているうつみさん。そしてそんな内海さんの後ろで、わざとらしい怯えた顔をしてる天草。

「こんな天草の写真なんか今まで上げた事なかったからきっとファンの子達は喜ぶだろうな」

「でもコメントはどうするべ?天草の飼い主とか?」


「いや、勘違いされたら面倒臭いし普通に"ウチの新しいスタッフ"だな。」

「正しくはバックルームスタッフ、だけどな。」


「どっちでも同じだろ。」

嬉しそうにインスタグラムを開いて、何やら文字を打ち込むチワワ先輩と、それを見つめる大エース君。

天草もそんな二人を止めるのかと思えば、どこか満更でも無さそうで……。


どんな反応がファンの人達からくるのか、全く予想は出来なかったけど、それでも──なぜか、皆に認められた様な気がして少し嬉しかったのもまた事実だった。

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