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逆転満塁ホームラン!
第7章 出会いの人員不足
ウィングスのバックルームスタッフと成って一ヶ月が経とうとしていた。つまり、甲子園球場のスタッフになって二ヶ月と少し位だろう。
そんな日の朝、またも『人手不足』と申し訳なさそうに訴える近藤さんへの恩の元、阪神対広島戦の今日……私はバックルームに入る事になったのだ。
仕事自体はもう慣れている。
ウィングスに関しては、の話しだけどね。
皆の欲しい物やトレーナーさんが切らした物を薬局やコンビニまで買いに走ったり、筋トレをしている選手に負荷をかけるのを手伝ったり、脱ぎ散らかしている服をロッカー前に置いて、汚れたユニフォームを背番号順に並べてからチワワ先輩に渡してあげたり。
何なら、ズボラな選手は甲子園が契約してるクリーニング業者に「替えのユニフォーム有るから」と洗わせるんだから、本当に皆個性が有りすぎて困る。
──だけどセリーグを無双している広島東洋カープの皆さんが居るバックルームに入るとなると何故か気の持ち用が変わってしまう。
まあ、当たり前なのかもしれないけれど……。
ヨシッとちいさくガッツポーズをつくって、己に気合を入れてから修羅の国と言われる広島を本場に持つ球団の輪の中に入った。