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逆転満塁ホームラン!
第7章 出会いの人員不足
「柳、んな事言うの止めろよ。すげえ動いてくれてるんよ、この子。」
「吉瀬ちゃんが仕事出来るのは俺達のほうが知ってるわ。」
「まあ、そうだけど。何しかすげえ良い子だわ、吉瀬ちゃん。負荷の掛け方もよく分かってるし、気が利く「オイこら、松本。お前勝手に俺達の球団が呼んでる名前で蒼井の事、呼んどんちゃうぞ」
低くて、ドスの利いた声。
柳くんじゃない。──はあ、ため息が出そう。こんな喧嘩の売り方をするのは、天草一人だ。
「ああ、ごめん。里奈ちゃん「それもアカン」
「じゃあ何て呼んだらいいん?」
「蒼井さん、や。」
「……ぷはっ、お前達マジでヤバイけん?野茂なんかさっき吉瀬ちゃんの事、壁ドンしてたよ。」
「ちょっ、松本さん!ウソっすよ、柳さん!天草さん!地でウソですから!」
確かに野茂君はよくフライデーに撮られてる。
でも壁ドンの件はウソにしか過ぎない。だけど、その真実を知らない柳君は、みるみる内に瞳の中からの本当の笑顔が消えていった。
「おい、野茂。」
「はっ、ハイッ……!」
「お前、吉瀬ちゃんを口説こうとかしてみろよ?分かってんだべな?」
「……っ!」
「吉瀬ちゃんとは一言も話すなよ、業務連絡は誰か別の既婚者に任せてお前は一人で用意するか既存のスタッフにトレーニングの相手してもらえや。」
「はいっ!」
「返事が小さい。」
「はいっっ!!!」
バリバリの上下関係を見ると、何故か隣の野茂くんが哀れにも感じる。……でも広島の他の選手達はあんまり気にしてないみたい。
いつもの柳と天草だ、と言う様にハハッと私達の会話を利いて笑い飛ばしていた。
当の本人、野茂剛君はビビリまくってるけど。
「今日、お前らが負ける様に願っとくから。」
「そっちも吉瀬ちゃんっていう勝利の女神が居ないから負けるんじゃない?」
「はいはい、松本の文句は聞き流しとけって言われてるじゃん?っつーことで切るから「待って、柳」
「何?何か言うべ?」
「なあ、松本」
話し方と声で分かる、今話してるのはきっと天草だろう。