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two roses & a lily
第1章 プロローグ
「ジョン、明日は学校を休んで、教会にいかなけりゃ。」
日曜日でもないのに教会なんて…と思ったが、どうしたらよいかわからず、アンに従うしかなかった。
その後もアンはあちこちに電話するが、どこに何の連絡をしているかさっぱりわからない。
「そろそろジョアンナが起きるわね。明日、色々話してあげる。学校には行かずに待ってるのよ。」
そう言ってアンは帰っていった。
マムが俺達を捨てて、男と街を出ていった。
何となくは理解できたが、信じられなかった。
マムは何も言ってなかった。
『私の宝物はジョンとジョアンナよ。』
ジュエリーケースは持っていったのに、俺達は連れていってもらえなかったのか?
でも、鍋に残るカレーが、マムが俺達を捨てた何よりの証拠だった。
「お兄ちゃん、お腹すいた。」
何も知らないジョアンナはいつも通り起きてくる。
俺は、もう言い訳なども考えられず、ただカレーをよそった。
ジョアンナに聞かれたら、何と話そうか…
そんな事を考えながら食事したけど、ジョアンナは何も聞いてこなかった。