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two roses & a lily
第3章 クリスマス


誕生日のお祝いがない代わりにクリスマスが盛大に行われるらしく、1週間前から皆の様子が浮き足立つような感じになる。

施設のあちこちに飾るツリーのオーナメントの飾り付けや、お食事会で身に付ける帽子やバッチを手作りしたりと、年齢も関係なくその準備に取り掛かる。

そして皆が願いや来年の目標などを手紙にしてボックスに入れる。
まだ字の書けない子は絵を描いたり上級生が面倒を見る。

俺はジョアンナの手紙のサポートに入ることを許された。

「ジョアンナの願い事は何?」

「お兄ちゃん、願い事ってなぁに?」

「こうなったらいいな?叶ったらいいなって思うことだよ。」

「う〜ん、それはしちゃダメなことや出来ないことでもいいの?」

「そうだよ、そういうことが叶ったらいいなって思うことがお願いだよ。」

ジョアンナはしばらく考えてからクレヨンを手に取る。

そして、描き始めたのは、家とベッドに二人の人。

「これがお兄ちゃんで…、こっちが私。それでお兄ちゃんが私に本を読んでくれるの。
そして、お話の通りに王子さまが私のところにくるの。」

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