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Eternal
第6章 Reunion-再会-

子どもを産むっていう大技を成し遂げるんだから――
あなたたち男性には決してできないことでしょう?
ちょっと男性を見下してしまう。隣りの彼を見つめながら――
私たちは神宮の中へと足を踏み入れる。杜の木々に囲まれたその場所はとても静かであった。なぜだろうか、この場所は懐かしい匂いがする。
私が育った地方の匂い――
大きく息を吸い込んだ時、彼が私の肩を軽く叩いてきた。
「どうしたんですか?」
「どうやって参拝するんだ?」
そんなことも分からないなんて―― 私は地方で何度か参拝をしたことがあるから少しの知識はあるし、やり方も記憶に残っている。
「神社の参拝はその場所によって異なるところもあるんですけれど、大体が二礼二拍手一礼ですね。正式な儀式の時はスーツなどの服装がいいらしいんですけれど、こうして普通に参拝するのなら別にどのような服装でもいいのだと思います。ただ、参拝は日の出から日の入りまでの間にした方がいいんです」
「日の出から日の入り?」
「ええ、太陽が昇ってくる時間帯はパワースポットからの力が一番強いんですって」
でも今は午後。しかしまだ日の入りではないから大丈夫と私はその言葉を添えた。そして私たちは神宮の中心部に到着して、そこでお参りをすることにする。そこには賽銭箱があり、私たちよりも前に並んでいた高齢者たちがチャリンチャリンと音を立てながら、賽銭箱に賽銭を投げ入れていた。それを見ていた彼がパンツの後ろポケットに差していた長財布を取り出す。今はキャッシュレスの時代であるから、私たちは現金をほとんど持ってはいない。しかし、この島国にある寺、神社などの施設にはカードで払うという最新式の機能は導入していなかった。きっとこの島国伝統である雰囲気を失いたくないからなのだろうと私は推測する。
「賽銭はいくらくらいだ?」
彼は長財布から少しばかりの小銭を取り出すと、それを掌に乗せて私に見せてくる。そこには百円玉が一枚と十円玉が四枚、五円玉と一円玉が各一枚ずつあった。その中の五円玉を手に取って彼に見せる。
「それはその人の気持ち次第ですから決まりはありません。でも、私たちが育った地方ではご縁がありますようにってことでこの五円玉を入れることが多かったですね」
「ふうん……」
彼は短い返事をすると、それを私の手から受け取って賽銭箱に投げ入れる。
あなたたち男性には決してできないことでしょう?
ちょっと男性を見下してしまう。隣りの彼を見つめながら――
私たちは神宮の中へと足を踏み入れる。杜の木々に囲まれたその場所はとても静かであった。なぜだろうか、この場所は懐かしい匂いがする。
私が育った地方の匂い――
大きく息を吸い込んだ時、彼が私の肩を軽く叩いてきた。
「どうしたんですか?」
「どうやって参拝するんだ?」
そんなことも分からないなんて―― 私は地方で何度か参拝をしたことがあるから少しの知識はあるし、やり方も記憶に残っている。
「神社の参拝はその場所によって異なるところもあるんですけれど、大体が二礼二拍手一礼ですね。正式な儀式の時はスーツなどの服装がいいらしいんですけれど、こうして普通に参拝するのなら別にどのような服装でもいいのだと思います。ただ、参拝は日の出から日の入りまでの間にした方がいいんです」
「日の出から日の入り?」
「ええ、太陽が昇ってくる時間帯はパワースポットからの力が一番強いんですって」
でも今は午後。しかしまだ日の入りではないから大丈夫と私はその言葉を添えた。そして私たちは神宮の中心部に到着して、そこでお参りをすることにする。そこには賽銭箱があり、私たちよりも前に並んでいた高齢者たちがチャリンチャリンと音を立てながら、賽銭箱に賽銭を投げ入れていた。それを見ていた彼がパンツの後ろポケットに差していた長財布を取り出す。今はキャッシュレスの時代であるから、私たちは現金をほとんど持ってはいない。しかし、この島国にある寺、神社などの施設にはカードで払うという最新式の機能は導入していなかった。きっとこの島国伝統である雰囲気を失いたくないからなのだろうと私は推測する。
「賽銭はいくらくらいだ?」
彼は長財布から少しばかりの小銭を取り出すと、それを掌に乗せて私に見せてくる。そこには百円玉が一枚と十円玉が四枚、五円玉と一円玉が各一枚ずつあった。その中の五円玉を手に取って彼に見せる。
「それはその人の気持ち次第ですから決まりはありません。でも、私たちが育った地方ではご縁がありますようにってことでこの五円玉を入れることが多かったですね」
「ふうん……」
彼は短い返事をすると、それを私の手から受け取って賽銭箱に投げ入れる。

