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サイドストーリー9
第4章 心も抱きしめて
「この、浴衣の襟から出てるうなじ、凄い色っぽいな」

髪をアップにして、いつもは見せないうなじを見せる。
なんだか恥ずかしくなって、手で隠せば
石島さんは意地悪く笑ってその手を外し、そこにキスを落とした。

「ここにキスマークをつけたら帰れないな」

そう言って、今自分がキスをした私のうなじを親指で撫でた。

「つけなくても、帰らないわよ」

くすくす笑ってそう言えば

「花火が明るいうちにベッドに行く?花火の下で抱きたいな」

「だめ。花火は来年まで見られないもの。
一緒に見たいわ。そのために浴衣を着てきたんだもん。
花火が終わったら、抱いて」

「ライバルは花火だったか」
石島さんはそう苦笑いして、グラスのワイン越しに花火を見た。


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