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サイドストーリー9
第6章 蛍の想ひ人②
「直子、今から町内のお祭りだけど一緒に行かねぇ?」

春先にフラれて、ボーっとしている事が多くなった。

何も考えずに仕事をすれば
残業する程多くの仕事を抱えているわけではなくて
毎日のように5時に上がれる。

好きだった人にいつ誘われても良いように
ここ1年ぐらい友達と遊びに行ってない。

こんな時に、泣きながら愚痴を言って
慰めてくれる友達なんかいやしない。

隣の家の3つ下のクソ坊主が、気にしてくれるけどガンムシだ。
年下は興味ない。

「行かない」

昔よく2人で行った町内のお祭りは
大きいわけでもなく、短い商店街に露店が出る程度だ。

「行こうぜ。近頃ふさぎこんでるだろ」
「あんたに関係ない」
「フラれたぐらいでなんだよ」
「うるさいな!」

こいつは年下とは思えないほど遠慮がない。

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