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サイドストーリー9
第15章 約束のピンキーリング②
「武田さん、ちゃんと岡本に言ったか?社内では慎めって」
「言いましたよ!加賀部長こそ岡本主任は部下でしょう!」
「俺も言ったよ!仕事とプライベートは分けろって!新田は言ったのか?」
「言ったよ。仕事が終わるまでは秘書に手を出すなって」

「で?中村さんをモノにできると思う?」
新田常務がニヤッと笑った。

「どうかな~?アイツまだ仕事でいっぱいいっぱいだからな」
加賀部長もニヤッと笑う。

「止めましょうよ。部下の恋愛で賭け事するの・・・」
「何だよ?武田さんは賭けないのか?」
「・・・・そうですね~柳下くんが1枚かむのにランチを賭けます」

「柳下?」
「広報の?」
「ええ。あの子、意外と面白いですよ。野田岩さんのランチにしようかな♪」
「野田岩?武田さん勝ちに出たな?」
「ふふふ」
「へ~ぇ」
「柳下ね。覚えておこう」

その時、1階に着いてポンと言う小さな軽快音とともにドアが開く。
「加賀、俺久しぶりに由布子さんに会いたい」
「しょうがないな。一緒に連れてってやるよ」

そんな事を言いながら2人はタクシーに乗り込んだ。

「本日もお疲れ様でございました」

私はそのタクシーが見えなくなるまでエントランスで頭を下げていた。


END****



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