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保健体育の授業
第8章 それぞれの道~李久~

『今月もあと1週間だから
頑張って学校にもいくけど
明日には学校で話してくる。』
と言うので過保護な気持ちが
炸裂してしまい
『一人で大丈夫?
私も一緒にいこうか?』
と言うと間髪いれる間もなく
『や、大丈夫。
お前いたらややこしくなる。』
『間違いない』
と李久と広大に言われてしまったが
笑っている二人を見て安心した。
『ところで…敦也のこと…
なんか聞いてないか?』
突然真剣な顔に戻ると
学校に来ていない敦也の話をし始めた。
李久のバイトの帰りに
柄の悪い人たちと歩いていたこと
その中に"ヤバイ"と言われていて
不良グループの中でも一目置かれている
鍵沼 亮 (かぎぬま りょう)
がいたような気がする…と。
その話を聞いた広大の顔色も一変した。
私にはその鍵沼と言う男が
どういう男なのかわからず
『そんなに一目を置かれるって…
一体どんな悪いことしてるって言う
噂がたってるの?』
李久は話を続けた。
『まぁ暴力沙汰は勿論なんだけど
薬中って言う噂がたってて…
だけど親が警察の偉い人だとかで
色々揉み消されてるって話。
正確な話じゃねぇから
全部信じんなよ?
だけど薬をバラ蒔いてるって…
こんなこと思いたくねぇけど
敦也のやつ…あいつ…手…
出してんじゃねえかと思って…』
それを聞いた私も広大も
何も言い返すことが出来なかった。

