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保健体育の授業
第9章 それぞれの道~敦也~

ある日ゲームセンターで敦也を
一人で探しているときだった。
『加藤 敦也と言う男の子を
知りませんか?』
そう聞いた相手はギロッとこちらを
睨み付けるように見たあとニヤリと
不気味な笑みを浮かべた。
そして隣にいた友人と目を合わせて
友人の方が携帯をポケットから
取り出し奥へと姿を消した。
私も馬鹿ではない…
何か敦也のことを知ってる人たちに
声をかけてしまったことを察した。
上から下、下から上へと
舐めるような視線で私を見ると
『最近敦也のこと探してるやつって
あんただったんだな~
何?ガッコの先生?』
と人差し指で私の顎をぐいっと
上に持ち上げ目を合わせてきた。
『そうよ、あなたは敦也のお友達?』
『ふっ…お友達ねぇ~
まあそんなとこか。』
私を馬鹿にしたように半笑いをした。
『そう…敦也は元気なの…?』
そう聞くと
『直接会ったらわかるだろーなー
ついてくるなら会わせてやるよ』
この男を信用したわけではない。
でも敦也に何か起きているなら
1秒でも早く助け出したい…
その一心で私はついていく覚悟をした。
その時、密かに携帯の通話機能を
広大に繋げ鞄に放り投げた。
"気付いて…
助けにきて…"

