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解放
第1章 第一章
「それで」

二人の間に置かれた置かれた飲み物の氷が
カランと軽い音を立てると、それが始まりの
合図のように彼が口を開く。

「昨日言っていた、下着は着けてきてくれた?」

まるで天気でも聞くかのような気軽さで
彼はそう聞いた。

咄嗟に目を伏せようとした時

「こっちを見ろ」

びくっと、突然の口調の変化に目を合わせる。
にこやかな表情。しかし、吸い込まれるような
笑っていないその黒い瞳から目を離せない。

「あ。。はい……着けて…きました。。」

自分でも消え入るような声だと意識できた。

昨日のチャットで、会うなら自分の持っている
下着の中で一番際どく、セクシーな下着を
履いてきてと言われた。

そもそも、そういう下着を持ち合わせていなかった
私だったが、その中でも一番大人っぽい黒の
レースのついた下着を選んだのだった。
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