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官能的大恋愛
第14章 大切にしたい触覚
「少しだけ、動かしてもいい?」

「うん…」

「よし、いい笑顔」

ナガタッチは、本当に少しだけゆっくりと動かした。

私はそんなふうに、優しく接してくれる彼を見て感じた。

エッチな意味じゃないよ。

もっと人が人に対して接する、単純なんだけど基本的で重要な感覚を。

「…何?」

「ナイショ」

ナガタッチは腕2本で自分の体重を支えて、腰をゆっくりゆっくり動かす。

「…だから、何って?」

「ナイショってば」

きっかけは官能的なものだった。

エッチのプロのAV男優。

エッチな官能小説家を目指す私。

だけど、「こんな自分」でも必死で誇りを持って、世間の荒波を掻き分けながら生きてる。

理解してもらえる中にいつも「こんな自分」をしまって、理解してもらえないシガラミを避けてきた。

少なくても、あなたに出逢うまでの私はそうやって生きてきた。

そう掲げて生きてきた。

「…痛くない?」

「ナイショ」

あなたに出逢って、今こうして繋がって思う事は、何を片意地張って生きてるんだろう。

否定や批判を誰かに受けた分だけ、賛成や評価してくれる誰かもいるはずなのに。

でも私にはもう、ナガタッチがいるから。

何も恐れる事はない。

この2本の腕で、支えられて私は誇らしげに官能小説家一本を目指すよ。
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