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お披露目の会の余興の話(くすくす姫後日談その5のおまけ)
第1章 お披露目の会の余興の話

「もしかして私が、下手くそだったから?」
「違ぇよ、馬鹿め」
「んむ」
サクナは今度は姫の鼻を軽く摘みました。
「ローゼルとは腕組んで別れて終わりだったろ?踊ってはみたが合意しなかったって事だ」
「合意?」
「お前のは回して抱いたから、お互い合意したって事だな」
「合意って、何の?」
椅子から立たせられた姫は、何の気なしに聞きました。
「お前は…!」
「きゃ!…あ」
「この可愛い耳も、お飾りか?」
言うなり耳朶をぱくりと喰まれ、姫は背中がぞくぞくしました。
「最後に別れたって事は、振ったか振られたかしたって事だ。くるくる回して抱くのは、そのまんまーーこれから閨で抱くって事だ。良い仲じゃねぇ奴にゃやらねえってのがお約束だ。分かったか?」
「…わかった…」
「お前、途中なんで崩れた?」
「う」
「何考えた」
喰まれたのと逆の耳元で囁かれ、堪らなくなった姫は顔を伏せました。
「…踊りの感じが、サクナに抱かれてる時と似てるなーって…」
「分かってんじゃねぇか」
サクナは俯いた姫の顔を覗き込みました。
「まだお開きじゃねぇんだ。そんな顔すんな」
頬を撫でられ口づけられた姫は、甘い溜め息を漏らしました。
「ね…」
「何だ?」
「…ここにも」
姫は自分の指で、唇に触れました。
唇には、しばらく口づけられておりません。触れて欲しい気持ちがうずうずと高まって、我慢出来なくなっていました。
「止めらんなくなったら困んだろ」
「お願い。一回だけ」
「仕方無ぇな…上手く踊れたご褒美な」
「ん。うふ…」
ちゅっと上唇を喰み下唇を喰み、緩んで開いた唇から覗いている舌に舌で触れ、姫が応えると唇を深く合わせ、短い踊りの様に口づけ合いました。
「ん…なんだか、喉乾いてるかも…」
唇を離して鼻先を触れ合わせながら、姫が呟きました。触れ合いながらもいつもより口の中も舌も潤っていない様だったのです。
「ああ。緊張してたし、動いたしな」
髪の解れを直してやって唇を啄むと、姫はくすぐったそうに笑いました。
「戻るぞ」
戻れなくならねぇうちにな、と囁かれ、姫は、ん、と頷きました。
「お前、まだ何も飲み食いしてねぇだろ」
サクナは姫の背中に回していた腕を、一度抱き締めてから緩めました。それから姫の手を取って、指を絡めてきゅっと繋ぐと、宴席に戻る為に部屋から出て行きました。【柊屋敷200ページへ】
「違ぇよ、馬鹿め」
「んむ」
サクナは今度は姫の鼻を軽く摘みました。
「ローゼルとは腕組んで別れて終わりだったろ?踊ってはみたが合意しなかったって事だ」
「合意?」
「お前のは回して抱いたから、お互い合意したって事だな」
「合意って、何の?」
椅子から立たせられた姫は、何の気なしに聞きました。
「お前は…!」
「きゃ!…あ」
「この可愛い耳も、お飾りか?」
言うなり耳朶をぱくりと喰まれ、姫は背中がぞくぞくしました。
「最後に別れたって事は、振ったか振られたかしたって事だ。くるくる回して抱くのは、そのまんまーーこれから閨で抱くって事だ。良い仲じゃねぇ奴にゃやらねえってのがお約束だ。分かったか?」
「…わかった…」
「お前、途中なんで崩れた?」
「う」
「何考えた」
喰まれたのと逆の耳元で囁かれ、堪らなくなった姫は顔を伏せました。
「…踊りの感じが、サクナに抱かれてる時と似てるなーって…」
「分かってんじゃねぇか」
サクナは俯いた姫の顔を覗き込みました。
「まだお開きじゃねぇんだ。そんな顔すんな」
頬を撫でられ口づけられた姫は、甘い溜め息を漏らしました。
「ね…」
「何だ?」
「…ここにも」
姫は自分の指で、唇に触れました。
唇には、しばらく口づけられておりません。触れて欲しい気持ちがうずうずと高まって、我慢出来なくなっていました。
「止めらんなくなったら困んだろ」
「お願い。一回だけ」
「仕方無ぇな…上手く踊れたご褒美な」
「ん。うふ…」
ちゅっと上唇を喰み下唇を喰み、緩んで開いた唇から覗いている舌に舌で触れ、姫が応えると唇を深く合わせ、短い踊りの様に口づけ合いました。
「ん…なんだか、喉乾いてるかも…」
唇を離して鼻先を触れ合わせながら、姫が呟きました。触れ合いながらもいつもより口の中も舌も潤っていない様だったのです。
「ああ。緊張してたし、動いたしな」
髪の解れを直してやって唇を啄むと、姫はくすぐったそうに笑いました。
「戻るぞ」
戻れなくならねぇうちにな、と囁かれ、姫は、ん、と頷きました。
「お前、まだ何も飲み食いしてねぇだろ」
サクナは姫の背中に回していた腕を、一度抱き締めてから緩めました。それから姫の手を取って、指を絡めてきゅっと繋ぐと、宴席に戻る為に部屋から出て行きました。【柊屋敷200ページへ】

