この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛してるからこそ...
第10章 2人の新しい愛の巣
家に着いて持っている鍵で玄関を開けた途端
キッチンの方からすごい大きな声がした。
『あっつ!!!!!』
どうやらお兄ちゃんの声で熱い事があったらしい。
急いで靴を脱いでリビング奥のキッチンへ目を向ける。
お兄ちゃんが耳に手を当てて熱いーと悶えていた。
「お兄ちゃん?」
『あ、朱里いいところに来てくれた。
もう腹減って死にそうなんだよ...』
見るとみじん切りをしたかったのであろう玉ねぎと
ボウルの中にこれまた大きさのバラバラの鶏肉
うん。オムライスでも作るつもりだったのだろう。
スーパーで出来たお惣菜でも買ってきたら
よかったのにと思うからそのまま言うと
『ダメなんだよ。夜10時すぎる時は
早い方がどこかで買って帰るけど
それより早かったら慣れるためにも作るって
親父と決めたことだから。』
お父さんとお兄ちゃんなりに
今の生活を二人で協力してやっているみたいで
すこしだけ安心出来た。
「分かった。オムライスつくるんでしょ?
私作るからお兄ちゃんと正人はビールでも飲んだら?
ちなみに私たち明日有給で休みだから
今日泊まっていくからねー」
お兄ちゃんは助かる。と言いながら冷蔵庫から
ビールをもってダイニングへ向かった。