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愛してるからこそ...
第10章 2人の新しい愛の巣




家に着いて持っている鍵で玄関を開けた途端
キッチンの方からすごい大きな声がした。


『あっつ!!!!!』

どうやらお兄ちゃんの声で熱い事があったらしい。
急いで靴を脱いでリビング奥のキッチンへ目を向ける。

お兄ちゃんが耳に手を当てて熱いーと悶えていた。

「お兄ちゃん?」

『あ、朱里いいところに来てくれた。
もう腹減って死にそうなんだよ...』

見るとみじん切りをしたかったのであろう玉ねぎと
ボウルの中にこれまた大きさのバラバラの鶏肉

うん。オムライスでも作るつもりだったのだろう。
スーパーで出来たお惣菜でも買ってきたら
よかったのにと思うからそのまま言うと

『ダメなんだよ。夜10時すぎる時は
早い方がどこかで買って帰るけど
それより早かったら慣れるためにも作るって
親父と決めたことだから。』


お父さんとお兄ちゃんなりに
今の生活を二人で協力してやっているみたいで
すこしだけ安心出来た。


「分かった。オムライスつくるんでしょ?
私作るからお兄ちゃんと正人はビールでも飲んだら?
ちなみに私たち明日有給で休みだから
今日泊まっていくからねー」

お兄ちゃんは助かる。と言いながら冷蔵庫から
ビールをもってダイニングへ向かった。



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