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愛してるからこそ...
第2章 例の経理の女
あの日からやたらと経理の女が営業部に来る。
そして結城課長ーと甘い声を出しながら
猫みたいに俺に近付いてくる。
鬱陶しいと思いつつ会社だから
変にきつく当たれないから辛い。
あの女が営業部に来るだびに
朱里はまた来たのか…っていう顔をする。
「課長ー♡あのー、お食事いきませんか?」
「忙しいから無理だな。」
「お仕事帰りにちょっと行きましょうよー」
「帰ったら飯あるし遠慮します。」
こんなやり取りをもう10回ほどしている。
もう勘弁して欲しい。
だから外回りだと言って逃げてまわる日々。
「はぁー。」
大きなため息をついた時に後ろから
癒されるような声が聞こえてくる。
「正人?大丈夫??」
朱里だ。こいつはホントに...
「大丈夫。あいつは何なんだ。」
「知らなーい。」
「怒ってんのか?」
怒っているというか拗ねている。
多分営業部に来てやたらベタベタするからだろう。
「怒ってない!
何なのいつもベタベタして。」
怒ってんじゃねぇかよ…
素直じゃねぇな。
「な?あいつ日本語知らないのか
何行っても通じないってしんどい…」
本当にもう関わらないでほしい。
でも、この女のせいで朱里が激怒することになる。