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第16章 社員旅行

「本当にチーズ好きだね。」

「チーズが好きなんもあるけど
嫁が作る飯が美味いからとまんねぇ。」


二人でバカップルみたいな会話をしていると
屋上のドアが開いてあのパウダールームの時の
女の子が私たちに近づいてきた。


『あの結城さんに話があります。』

私がビクッとなったのに対して正人は冷静だった。


「結城ってどっち？
俺らどっちも結城なんだけど？」

『．．．！』

「何でしょうか？」

『去年の社員旅行は私たちと結城さん
一緒に行動したんです！

だから今年も…』


彼女がそこまで言うと正人が割って入り
彼女の言葉をとめてしまった。


「は？ふざけんなよ。
去年は会社に話してなかったから行動してないし
朱里も営業の女性社員と楽しんでたからな。

今年は隠すことねぇしそれに【夫婦】だし？
新婚旅行もいけてねぇんだから楽しませてくれよ。」


正人はあっけらかんと伝えた。
新婚旅行はモルディブで結婚式して
そのまま旅行とするからまだ行っていない。

『でも去年は楽しそうにしてくれましたよね？

しかも結城さんが全て生活費負担してるって。
私なら親に言って私が全て出しますよ。』