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第18章 田村さんと若菜さん

心配そうに私を止める正人を
私がとめることになる。


「正人大丈夫だよ。

私には今家族があるから堕ちないから。」


ニッコリ笑って正人を見ると
それ以上何も言わなくなった。

「私の母は海外赴任中だった父と兄が
日本に帰ってくる日に
大好きな料理を振る舞うために買い物へ向かって
その帰りに事故で即死だったんです。

いきなり大好きだった母を亡くした時
私はとんでもなく堕ちました。

いきなり訪れた別れだったから。


田村さんにはそんな思いして欲しくないんです。

今若菜さんはそばに居る。
まだ時間があるならその時間を
若菜さんのために素敵な時間にしてあげてください。」



ん？私は何を言ってるのか
自分で理解することが出来ず
伝わったかどうか分からないけど
後悔だけはして欲しくないと思う。



すると田村さんは朱里ちゃんはすごいね。
結城が支えたからかな。
俺にはそんな支えがないから…と言った。


そう、田村さんも親が亡くなってるんだ。


「田村さんもご両親が亡くなってるんですよね？
だったら分かりますよね？

後悔しないようにしてください。
支えなら私たちが支えますから！」



私が少し大きな声で言うと田村さんは
目を見開いたあと笑ってくれた。