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愛してるからこそ...
第27章 同窓会
少し怯んだうちに朱里を車に乗せて
俺も運転席に座った。
女友達が朱里バイバイと声をかけてきた。
朱里は明るくバイバァーイと言っていた。
車を進めて信号で停った時に朱里を見ると
酔いはさめているようだった。
「酔っ払い。」
「酔いも覚めちゃった…」
途中まではすごく楽しい同窓会だったのに。
と少し残念そうに言った。
「俺もいい事あったのに
あのバカのせいで嫌なこと知った。」
そう。海兄さんに紹介してもらって
久々に再会した同級生が取引先になったのに
あいつのせいで朱里の過去を知り気分が悪い。
「ごめんね。私も言いたくなくて
今まで黙ってたから...」
そりゃこんなこと自ら言いたくないと思うから
朱里を責めることはしない。
「もういいよ。
早く帰って明日はちょっと付き合えよ?」
「どこか行くの?」
夏に完成する家の家具を見に行きたかったから
ゴールデンウィークに行こうと決めていた。
今月の中旬には上棟する。
香西さんとの打ち合わせも念入りにしてきた。
「家具見に行く。」
「そっか。そろそろ考えないとね!」
楽しみだなぁと言いながら
シートに沈んだ朱里はすぐに寝てしまっていた。