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愛してるからこそ...
第5章 お友達の葛城くん
『須藤くん…本当に申し訳ございません。』
大先生が頭を下げ奥様も隣で頭を下げる。
私はもういいですからと言って
頭を上げてくださいと促した。
「大先生、奥様
今まで色々と良くしてくださり
本当にありがとうございました。」
奥様はごめんなさいねと泣いていた。
大先生と奥様は本当にいい人だったの。
いつも明るくて仲良しでこんな夫婦になりたいと
いつも思っていたから。
「大先生、奥様。
私は二人がすごく憧れなんです。
いつも仲良しでいつも笑っていて。
だから私もそうなります。彼と」
そう言って正人の腕に自分の腕を絡める。
二人はびっくりして婚約者は君なのか?と。
「はい。須藤の婚約者は俺です。
8月に入籍をする予定です。」
そう言うと大先生は少しだけ悲しそうな顔をする。
『ワシもそろそろ引退じゃ。
この医院もその日まで頑張るのみじゃよ。』
「遥斗先生は継がないのですか?」
『こんなことが起きて遥斗に継がせるわけにはいけん。
閉院するしかないな。』
後ろでガックリ来ている遥斗先生。
そんな遥斗先生に向かって大先生は言ったの。
「遥斗、もう来なくていい。
医師会からの連絡を待ちなさい。」
遥斗先生は、はい。と言って出ていった。