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妊活は先生と
第1章 妊活一回目
二週間後、彼女は予約時間通りにやって来ました。
その日のマユさんはフレンチスリーブの白いブラウスにサーモンピンクのフレアスカートを穿いており、ゆるく巻いたダークブラウンの長い髪の陰からちらりと見える形の良い耳には小さなパールの付いた鎖状のピアスが揺れていて、治療に来たというよりは、今からデートにでも出かけるような格好でした。

視診にて排卵が近い事を確認した後、事前に提出してもらった旦那さんの精子を遠心分離させたものを使って着床させる旨、彼女に説明しました。
私にとっては毎日やっている慣れた処置ですが、彼女にとっては初めて事です。
とても心細そうな顔で、

「痛くないでしょうか?」

と聞いてきました。患者さんを安心させるのも私の仕事です。

「大丈夫ですよ。リラックスしてくださいね。直ぐに済みますから」

そう言って微笑むと、彼女も微笑み返してくれました。
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