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世界で一人だけの君へ
第11章  槙 璃子の力
「私が目覚めるのは明日なのか1週間後か
 もっとかかるかもしれません。
 でも、心配しないでください。
 寝ているだけですから。

 監督やスタッフのかたには医師がうまく説明してくれると思いますから
 拳さんは何も言わないでください」

「わかった。
 でも監督に何か聞かれたら?」

私はにっこり笑った。

「『契約は無事履行しました』
 と槇がいっていたと伝えてください」

「契約?」

拳さんは怪訝な顔をした。

「はい。それですべて分かります」

「そうか...」

私は深呼吸をした。


「そろそろ 始めますか」


拳さんの表情が硬くなる


拳さんは1年前交通事故で息子さんを失っていた。
事故に遭う直前、親子喧嘩をして息子さんは家を飛び出し、数時間後帰らぬ人となった。


拳さんがNGをだし続けたシーンは息子と怒鳴りあう場面。

拳さんは言葉に詰まって台詞が出てこなかった。


「それで、アイツはなんて言ってるんだ?」


「私が言いますか?

 直接会話されますか?」


拳さんは目を見開いた。


「アイツと話せるのか?」


私の体を激しく揺り動かす。


「はい。お望みなら」


「頼むよ!頼む。

 伝えたかったことがいっぱいあるんだ」


私は頷いた。


「どうぞ。私の手を握ってください。

 そして息子さんの名前を呼んでください

 息子さんが答えてくれたらそのあとは二人で会話ができます。

 その会話は私にはわかりませんから、どんなことを話していただいても構いません」


「本当か?アイツと話せるのか?

 槇ちゃん、ありがとう」


私は頷き拳さんの手を取り目を閉じた。





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