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世界で一人だけの君へ
第2章 15の春
スタッフに促されるまま立ち位置や動きを確認する。
「じゃ、リハいってみようか」
監督がカメラ脇の椅子に座った。
スタジオの空気が一変する。
最初のシーンは恋人役の山本麗香ちゃんと教室で話し込むところから。
僕は彼女の話に相槌を打てばいいだけ。
モデルをやってるだけあって可愛い。
クルクルと表情を変える彼女の顔をにこやかに見つめていた。
「OK !」
監督の声がかかる。
「田辺くん!いいじゃないか。
本当に芝居初めて?」
監督が僕に近付いてくる。
ん?演技してませんけど...
「田辺さんって優しい表情で見つめるんですね。
ドキドキしちゃった」
相手役の山田さんまで僕を誉めてくれる。
????
「このまま本番いっちゃうから、みんな確認して」
監督がスタッフに声をかける。
その時スタジオの奥では槇さんのとなりでディレクターさんが
「槇ちゃん、今日も仕上げてくれたね。
あの少年にどんな魔法をかけたんだ?
あのくらいの少年を本気にさせるなよ」
「これが私の仕事ですから。
さじ加減は心得てます」
そんな大人の会話をされているなんて知らなかった。
「じゃ、リハいってみようか」
監督がカメラ脇の椅子に座った。
スタジオの空気が一変する。
最初のシーンは恋人役の山本麗香ちゃんと教室で話し込むところから。
僕は彼女の話に相槌を打てばいいだけ。
モデルをやってるだけあって可愛い。
クルクルと表情を変える彼女の顔をにこやかに見つめていた。
「OK !」
監督の声がかかる。
「田辺くん!いいじゃないか。
本当に芝居初めて?」
監督が僕に近付いてくる。
ん?演技してませんけど...
「田辺さんって優しい表情で見つめるんですね。
ドキドキしちゃった」
相手役の山田さんまで僕を誉めてくれる。
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「このまま本番いっちゃうから、みんな確認して」
監督がスタッフに声をかける。
その時スタジオの奥では槇さんのとなりでディレクターさんが
「槇ちゃん、今日も仕上げてくれたね。
あの少年にどんな魔法をかけたんだ?
あのくらいの少年を本気にさせるなよ」
「これが私の仕事ですから。
さじ加減は心得てます」
そんな大人の会話をされているなんて知らなかった。