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世界で一人だけの君へ
第5章  俳優 田辺准一
翌日はドラマの番宣に朝から奔走した。

いま話題のドラマはどの番組でも大きく扱ってくれた。

プロデューサーは勢いに乗っているドラマに旋風を巻き起こそうと色々と策を練っていた。

途中大林さんや松下さんと合流し午前中一杯番宣のために局を走り回った。


午後は歌番組の収録のため僕だけ他局へ移動。

グループの仲間はもちろん他の出演者や番組関係者からもドラマの話で声をかけられすっかり時の人になっていた。


僕は笑顔で受け答えたり冗談を言ったりしていたが、心のなかは昨日の槙さんの言葉が支配していた...



“本気の恋愛はお預け...”

槙さんの言葉が頭を廻り続ける



夕方からスタジオ入りする。


昨日のことを問いただそう。


槙さんは今の僕とは付き合えないと言ったけど僕を嫌いとは言っていない。

やっぱり、そんな言葉で納得しろなんて
無理だ!






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