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世界で一人だけの君へ
第5章 俳優 田辺准一
みんなと立ち話をしている間に随分と時間がたってしまった。
槙さんは荷物を両手に抱え挨拶をしてこの場を去ろうとしていた。
僕は槙さんのところへ走った。
「槙さん待って!」
槙さんが荷物ごと振り向く
「准一くん お疲れさまでした」
「槙さん荷物持つよ」
僕は槙さんの左手の鞄を持とうとした。
「大丈夫。これが私の商売道具
いつもひとりで運んでるんだから」
「少しだけでいいから話がしたいんだ」
璃子さんは小さく首を振って
「ここはスタジオじゃないから目立っちゃうでしょ」
そう言うと彼女は僕の顔をまじまじと見つめた。
「お疲れさまでした。
本当に素敵な俳優さんになってきたね
この先が楽しみ。
またご一緒できることを楽しみにしています。
ありがとう」
槙さんは荷物を置いて僕に手を差し出した。
僕は一瞬戸惑いながら槙さんの手を握った。
「全部槙さんのおかげ」
「ん?」
槙さんがとぼけた顔をする
「だってさどう考えたっておかしいよ。
槙さんの行動 台本の先走りだもん。
まんまと騙された」
槙さんはニヤリと笑って
「バレたかぁ」
なんて言ってる
「でも本当にありがとう。
ただのアイドル風情にこんな演技をつけてくれて」
僕はとびきりの笑顔を向けた。
アイドルスマイルじゃなく、はじめてみたときの槙さんのような笑顔
「准一くんはただのアイドルじゃ終わらないよ。
だから私が呼ばれた。
みんなあなたの才能見抜いたんだよ」
「え?
槙さんが呼ばれた?
どういう意味?」
槙さんはフフッと笑って
「そのうちわかるわ
またね。いい仕事ができて楽しかった」
槙さんは僕の手を離すと荷物をもって歩き出した。
ーー槙さん、やっぱり
あなたが好きだ。
小さくなる槙さんの背中に向かって告白した。
槙さんは荷物を両手に抱え挨拶をしてこの場を去ろうとしていた。
僕は槙さんのところへ走った。
「槙さん待って!」
槙さんが荷物ごと振り向く
「准一くん お疲れさまでした」
「槙さん荷物持つよ」
僕は槙さんの左手の鞄を持とうとした。
「大丈夫。これが私の商売道具
いつもひとりで運んでるんだから」
「少しだけでいいから話がしたいんだ」
璃子さんは小さく首を振って
「ここはスタジオじゃないから目立っちゃうでしょ」
そう言うと彼女は僕の顔をまじまじと見つめた。
「お疲れさまでした。
本当に素敵な俳優さんになってきたね
この先が楽しみ。
またご一緒できることを楽しみにしています。
ありがとう」
槙さんは荷物を置いて僕に手を差し出した。
僕は一瞬戸惑いながら槙さんの手を握った。
「全部槙さんのおかげ」
「ん?」
槙さんがとぼけた顔をする
「だってさどう考えたっておかしいよ。
槙さんの行動 台本の先走りだもん。
まんまと騙された」
槙さんはニヤリと笑って
「バレたかぁ」
なんて言ってる
「でも本当にありがとう。
ただのアイドル風情にこんな演技をつけてくれて」
僕はとびきりの笑顔を向けた。
アイドルスマイルじゃなく、はじめてみたときの槙さんのような笑顔
「准一くんはただのアイドルじゃ終わらないよ。
だから私が呼ばれた。
みんなあなたの才能見抜いたんだよ」
「え?
槙さんが呼ばれた?
どういう意味?」
槙さんはフフッと笑って
「そのうちわかるわ
またね。いい仕事ができて楽しかった」
槙さんは僕の手を離すと荷物をもって歩き出した。
ーー槙さん、やっぱり
あなたが好きだ。
小さくなる槙さんの背中に向かって告白した。