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世界で一人だけの君へ
第7章  高校球児
その事件は婦女暴行未遂と傷害事件として処理され四高の奴らは少年鑑別所へ送致された。

彼女が誰なのか結局わからなかった。

警察も学校や近所に聞き込みにあたったがなぜか彼女は見つからなかった。


俺は...

以前よりも球速が早くなり1年生でレギュラーを取ることができた。

あれ以来肘はまったく違う感覚になった。


戸惑いはあったが俺が活躍することで彼女が俺の存在に気付いてくれればいいと以前にまして強く甲子園出場を願って必死で練習を重ねた。

念願かなって甲子園に3年連続出場。
いつの間にか強豪校と呼ばれるようになって、俺は注目投手としてマスコミからの取材も受けるようになった。

俺は心のどこかで星蘭のあの子が会いに来てくれるんじゃないかと期待するようになった。

顔も覚えていない彼女が心の中で大きくなっていく。



だけど結局

彼女が会いに来てくれることは 

なかった。


俺は大きく溜め息をついて立ち上がった。

辺りはもうすっかり暗くなっている。



必死で目指した甲子園。
熱い夏は終わりを告げていた。





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