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はつこい
第6章 好きな人
結局、かるた部には入らなかったが、その日以降、彼が気になって仕方が無くなった。
彼の指があたしの身体を触ったら、どんな感じだろうと想像するだけで絶頂に登り詰めるようだった。
家庭教師や小父さんとのセックスの時にも、彼の事ばかり考えていた。

ただ、彼に近づくのは簡単では無かった。
今まで出会った男達は皆、気取った事を言っていたとしても、少し屈んで胸元を見せるだけで、簡単にあたしの言いなりになった。
所が、彼はそうではなかった。
あたしが一度、他の男にするのと同じようにちらりと脚を見せると、少し困ったような顔をした後、

「迷惑だよ。止めてもらえない?」

と言って、すっと去って行った。
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