この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
…俺とあいつの処方箋…
第1章 失恋記念日
『好奇心いっぱいな顔で俺と指輪を交互に見ないでくれよ…』
味噌汁や玉子焼きを食べながら話す内容ではないが指輪を見られた以上は隠してはおけない。
ご飯の味はしなかった。
『――っていう訳だから指輪も俺のじゃなく預り物だから、奈緒美はもうこの家には来ないかも』
『波瑠、昨夜いつものように帰ってきて…だから母さん気の効いた事何一つ…』
『もう終わった事だし母さんがつらい顔しなくていいから』
『―――おまえも結婚を意識するようになったのかと朝から気持ちが高ぶってしまって波瑠ごめんね…』
親が子を思う気持ち、それを察する息子。
場を繋ごうとお茶をすする親子。
『高くても安くても結婚しようと買った品物はお嬢さんか本人に早めに返した方がいいと思うよ』
『あの時レジに入らなくちゃなんなくて振り向いたらあの人は車が走った方向を見ていて名前を聞くタイミングを逃して――』
『コンビニだからお嬢さんはまたいつか来る、
波瑠は優しい子だから』
母さん忍耐強く頑張れと?
俺は優しくはない…
あの男の胸ぐらを掴んだんだ!?
味噌汁や玉子焼きを食べながら話す内容ではないが指輪を見られた以上は隠してはおけない。
ご飯の味はしなかった。
『――っていう訳だから指輪も俺のじゃなく預り物だから、奈緒美はもうこの家には来ないかも』
『波瑠、昨夜いつものように帰ってきて…だから母さん気の効いた事何一つ…』
『もう終わった事だし母さんがつらい顔しなくていいから』
『―――おまえも結婚を意識するようになったのかと朝から気持ちが高ぶってしまって波瑠ごめんね…』
親が子を思う気持ち、それを察する息子。
場を繋ごうとお茶をすする親子。
『高くても安くても結婚しようと買った品物はお嬢さんか本人に早めに返した方がいいと思うよ』
『あの時レジに入らなくちゃなんなくて振り向いたらあの人は車が走った方向を見ていて名前を聞くタイミングを逃して――』
『コンビニだからお嬢さんはまたいつか来る、
波瑠は優しい子だから』
母さん忍耐強く頑張れと?
俺は優しくはない…
あの男の胸ぐらを掴んだんだ!?